reportレポート
取材
ソーラーシェアリングで活きる 設計・施工の技術力
高度な技術が求められるソーラーシェアリングの施工現場において、信頼を集めている会社がある。建築・土木の測量を本業とする「株式会社ビル技研」。特許製品開発も手がける、卓越した施工技術に注目したい。
農地に建つソーラーシェアリングは、施工技術が命づなだ。設備を円滑に稼働させる設計や施工はもちろん、天候や災害に対応する耐久性や精度も重要になってくる。
全国でソーラーシェアリングの施工実績を持つ「株式会社ビル技研」は、測量、組み立て、電気工事などすべてを一貫して行う希少な施工会社だ。本業の建築・土木の測量事業のかたわら、2011年から太陽光事業に参入。熟練の測量技術を活かした高精度な施工術が評判を集めている。取締役副社長の佐用功貴さんは、こう話す。
「水糸などを使って手作業で水平や直線をとる施工現場も少なくありませんが、どうしても精度が落ち、後々、トラブルにつながることも。3D測量機器など、最先端の測量技術を駆使している当社では、早く正確な施工が可能なのです」。
ソーラーシェアリングにおける特許製品開発にも注目が集まっている。その1つが杭の引き抜きや沈下を防ぐアイテム「浮沈防止BASE」だ。既存のスクリュー杭の地中部分に取り付けるだけで杭の浮沈を強力に防止。地盤の緩い農地でも杭の強度を高め、架台をしっかりと支えてくれる優れものだ。
もう1つの特許製品「PVスライダー」は、2018年8月に完成。既存のハウスに特殊なレールと車輪を取り付け、太陽光パネルをスライドできるようにした製品で、季節や作物の種類によって遮光調整が可能になるという。
こうした技術開発のもと目指しているのは、ソーラーシェアリングのさらなる普及だ。
「最近では、施工や開発のみならず、パネルの下で農薬散布するドローンの技術訓練もスタートしました。日本の農業を救うソーラーシェアリングがより身近で便利なものになるために、今後も様々な取り組みを行っていくつもりです」。