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reportレポート

取材 有限会社とまとランドいわき 代表取締役社長 鯨岡 千春

太陽を追って動く、日本最大級の「追尾式」ソーラーシェアリング

太陽を追って動く、日本最大級の「追尾式」ソーラーシェアリング

ソーラーシェアリングとしては国内最大級の規模で、追尾型の太陽光発電システムを設置しているのが、福島県いわき市にある農園「アグリパークいわき」。新しいスタイルで、農地の有効利用をめざしている。

農地に75基の追尾システムが並ぶ様は、まさに壮観
有限会社とまとランドいわきの代表取締役社長・鯨岡千春さん

観光イチゴ農園として運営されている「アグリパークいわき」を訪ねると、目前に広がる風景に誰もが圧倒されるはず。高さ5mの支柱に25枚のパネルが設置された追尾型太陽光発電システムが、整然と75基並ぶ。季節に合わせて自動で太陽の方角を追尾するため、積算発電量は通常の固定型に比べておよそ1.4倍〜1.5倍。設置した2014年からの3年間、予測通りに発電しているという。

追尾式システム同士の間には、十分な隙間が空けられている。
栽培したイチジク

「震災の復興支援でいわき市に寄付された追尾式太陽光発電を、私の経営するトマトの生産法人で設置したのがきっかけでした。そこで発電した電気はハウスで活用していたのですが、その発電量の多さを見て、今度はこのイチゴ農園の敷地で、売電を行うかたちで追尾式太陽光発電システムを設置をすることに決めました」と語るのは、アグリパークいわきの農園主である鯨岡さん。当初は農地転用も検討したものの、行政の許可が降りず、イチジク栽培とのソーラーシェアリングとして導入することになった。現在、支柱の下では約1500本の加工用イチジクが栽培されており、栽培を始めて3年目となる今年(本記事の取材は2017年)、初めての収穫が予定されている。 

「太陽光パネルを設置しても、イチジク栽培にはまったく影響がありません。むしろ隙間を開けすぎたくらいで、もっと詰めても栽培できたかもしれませんね。固定型よりは割高ですが、追尾にかかる電力は比較的少なく、費用対効果は十分にあります」(鯨岡さん)。
発電部分のサイズはボリュームがあるが、支柱部分の面積が小さく、また支柱同士の間隔が十分に空いているため、太陽の光はイチジクに支障なく届いているようだ。

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