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匝瑳メガソーラーシェアリング 農地創出プロジェクトの全貌 (前編)

匝瑳メガソーラーシェアリング 農地創出プロジェクトの全貌 (前編)

緑豊かな農地の上に、大規模な太陽光発電設備が誇らしげに並んでいる。その規模は1MW(メガワット)。ソーラーシェアリングとしては、日本最大級だ。しかもこのメガソーラーは、決して環境を破壊しない。それどころか、地域の悩みの種だった「耕作放棄地」を美しい農地に変えてしまった。「農地創出」を実現する、究極の環境調和型メガソーラーなのだ。

目指したのは地域の問題解決
その先にある22世紀のムラづくり
共にプロジェクトを立ち上げた「匝瑳ソーラーシェアリング」の椿代表(右)と「市民エネルギーちば」の東代表(左)。
ソーラーシェアリングで
耕作放棄地の解消を実現

「この土地は、40年以上前に、山を削って畑にした場所だったのです。しかし、水はけが悪く、痩せていて、畑には不向きでした。一時はタバコ栽培をする農家もありましたが、15年ほど前に止めてしまって、以来ずっと耕作放棄地になっていました」。
そう話してくれたのは、匝瑳ソーラーシェアリング合同会社の椿茂雄代表。この地域代々の農家でもある椿さんにとって、拡大する耕作放棄地は心の痛む問題だった。
それは、同社の母体である市民エネルギーちば合同会社の東光弘代表にとっても同様。東さんは、「ソーラーシェアリングの意義は地域活性化の切り札になるところにある」と断言する。

地域のことを一番に考えて
売電益を環境保全に活かす

地域のお荷物になりかけていたその土地は、いまでは大きな自慢の種だ。2017年4月に誕生した「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」は、本格的なソーラーシェアリングとしては日本初の1MW級大規模太陽光発電所。そしてなにより、耕作放棄地だった土地を、農地として再生させることに成功した日本随一の事例なのだ。
この土地には複数の所有者がいたが、まずは地元農家である椿さんが、地権者の賛同を得るべく奔走した。こうしたビッグプロジェクトにおいては、地域の合意形成が最も重要な立脚点だからだ。
発電設備の構想は東さんが中心となって練り上げ、トラクターも自在に動ける大規模ソーラーシェアリング設備をつくりあげた。
太陽光パネルの下での農作業は、地域の農業生産法人であるThree little birds合同会社に、年間200万円の耕作委託料を支払い、請け負ってもらう。もちろん、この原資には、ソーラーシェアリングによる売電収益の一部が充てられている。
売電収益は、この他、地域の協議会に環境保全基金として年間200万円拠出される。このお金の使い道は、受け取った協議会の自由。本年度は、廃棄物が不法投棄されている場所をきれいに整備し、花を植えて憩いの場所にするために用いられるという(下図参照)。

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