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取材

ソーラーシェアリングの現場で求められるパワーコンディショナの条件は?

ソーラーシェアリングの現場で求められるパワーコンディショナの条件は?

実はソーラーシェアリングで最も重要な設備といえるパワーコンディショナ。
どんなポイントを重視して選べば良いのか? 独パワコンメーカーのSMAジャパンの今津社長と、同社製品を採用する千葉エコ・エネルギーの馬上社長に話を聞いた。

パワコンは、ソーラーシェアリングの心臓部!

パワーコンディショナ=パワコンは、太陽光パネルで発電された「直流」の電気を「交流」に変換し、電力系統(電線)に流せるようにする発電所の心臓部。日射量や温度によって出力が不安定になりがちな太陽電池が最大限のパフォーマンスを発揮するようにシステムを制御する役割も持っている。つまりパワコンが正常に動き続けていてこそ、安定的に発電ができるのだ。精密機械の集合体であるパワコンは一般的に熱やホコリに弱いため、農地で使うには耐熱性や耐塵性が求められる。

直射日光、高湿度、砂埃……
農地の過酷な環境に対応

馬上 パワコンを選ぶときにまず重視すべきなのが、耐久性です。ソーラーシェアリングではソーラーパネルが高い位置にあり、パワコンがむき出しになっているため、野立ての太陽光発電設備よりも過酷な環境にあるんです。

今津 そうですね。直射日光に加えて、田畑なので砂埃も多い。

馬上 砂埃は避けられないですね。当社のソーラーシェアリングでも、パワコンには農作業で発生する砂埃が降り注いでいます(笑)。SMAさんのパワコンは耐久性が高く、当社の設備でも採用する決め手になりました。

今津 当社製品の特長を一言で表すと「非常に厳しい環境であればあるほど良さを実感できる」です。過酷な環境の例で言えば、2400mの山の上や、サハラ砂漠の真ん中などでも実績があります。ドイツ本社の研究所では、砂嵐などの環境を作り稼働試験をしています。設計寿命は20年。製品保証も最大20年間までご用意しています。

馬上 最近、台風などで内陸部でも塩害が発生しているので、その点も重要ですよね。

今津 パワコンは通常、塩害にとても弱いのですが、当社製品は耐重塩害仕様になっています。また中小型パワコンの場合、15時までにご連絡をいただければ同日に代替機を発送し、発電を止めない、止まってもすぐ復旧させる体制を整備しています。

(写真左)SMAジャパン株式会社 代表取締役社長 今津武士さん
(写真右)千葉エコ・エネルギー株式会社 代表取締役 馬上丈司さん
農村にある設備だからこそ
騒音やデザインに配慮を

馬上 SMAさんのパワコンを使わせてもらっていて、耐久性とあわせて、音が静かなのも良いと感じています。田畑は周りに何もないので、音が響くんですよね。

今津 当社のパワコンは、内部で冷却用のファンが回っている時間が短いですからね。

馬上 そうなんです。ずっとファンが回っていると、閑静な農村にそぐわない騒音になってしまいます。

今津 パワコンは熱に弱く、冷却技術が最も大事です。効率的に冷やし、そして冷やす際に、いかに汚れた外気に触れさせないか。この技術を当社は長年突き詰め、特許も1200以上取得しています。当社製品は外気温が一定以上になった時だけファンが稼働する仕組みのため、故障率が下がるだけでなく、静音性が高いのです。

馬上 さらにSMAさんのパワコンを採用する理由として挙げておきたいのが、そのデザイン性です。農村の景観にいかにマッチさせるか、違和感のないデザインも重要だと考えています。

今津 ソーラーシェアリングにおけるデザインの重要性については、馬上さんにご指摘いただくまで全く気づきませんでした。ドイツでの創業以来、デザイナーを雇い、デザインにはお金をかけてきましたから、そこに着目されるのはありがたいです。今後もパワコン専業メーカーとして、質の高い商品を生み出していきたいです。

Information

SMAジャパン株式会社
TEL:0120-323-274 
https://www.sma-japan.com/

photo: Daisuke Uchida
text: Kousuke Ooneda


出典:EARTH JOURNAL(アースジャーナル)vol.06 2018年
販売サイト(https://earthjournal.jp/information/33791/

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