Solar Sharing for Farmers 次世代農家のためのプラットフォーム

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「やりたい農業」をやるために。若手農家の新たなスタイル

「やりたい農業」をやるために。若手農家の新たなスタイル

農業法人を立ちあげて挑戦を続ける湊さんにとって、ソーラーシェアリングの導入は、企業としての夢をかなえるための自然な選択だった。

安定収入があるから農業で挑戦できる

秋田県の中央部に位置する井川町で、水稲と露地野菜を生産する湊さんは就農10年目の39歳。3年前に農業法人として「株式会社ローカルフレッシュ」を立ちあげ、地元の農業を盛り上げるべく奮闘中だ。

湊さんがソーラーシェアリングに出会ったのは、昨年のこと。地元ソーラーパネルメーカーの「株式会社アイセス」が、ソーラーシェアリングの実証実験を始めるにあたり、営農者を探しているという話を聞いたときだった。

「ソーラーシェアリングの仕組みを知って、“農地の利用価値をもっと高められる”、“より効率的な営農で安定した収益化が図れる”と直感しました」と話す湊さんは、実証実験場の水田で営農を請け負うことにした。その後1年間で売電収入の安定性と作物に対する影響のなさを実感した湊さんは、今度は自社の畑にも、設備を導入することに。秋田信用金庫の融資を受け、49・5kWのソーラーシェアリングを設置した。現在はパネルの下で大豆を育てている。

重機スペースは確保され農業の妨げにならない。
架台と太陽光パネルは株式会社アイセスが開発。
大豆
ソーラーパネルの下では大豆を収穫。
株式会社ローカルフレッシュ代表取締役の湊喜孝さん。

「農作物を育てていると、手をかけた分だけお返しがあります。これほど早いサイクルで成功体験が得られる産業は、他にはないと思っていますし、若い人たちにもっと農業に参加してほしいです。これから担い手を増やしていくには、楽しいだけでなくて、お金もちゃんと稼げる仕事でなくてはいけないと思います。そういった意味で、売電による収入を安定的に得ることができるソーラーシェアリングは非常に有益な仕組みです」。

ローカルフレッシュでは、10数名の圃場スタッフを、年間を通して雇用している。従業員の給料を賄うまとまった資金がソーラーシェアリングで確保できるから、自分のやりたい農業への挑戦が具体的に思い描けるのだという。

「農業に関する新しい情報は、定期的に収集に出かけています。1年中収穫ができるようにニンニクの生産を始めたのも、農機メーカーさんにオススメを受けたからでした」。

将来は生産だけでなく、地域に人を呼び込むような観光農園として経営していきたいという湊さん。古くからあるものも、新しい考えも柔軟に取り入れていく染まらないスタイルで、井川町の農業を盛り上げていく。

株式会社ローカルフレッシュ
場所秋田県南秋田郡井川町
設備容量49.5kW
土地面積4ha
導入年月日2018年7月
導入費用1600万円
年間の売電収入150万円
パネルの下で育てている作目枝豆、大豆

photo: Ryusuke Suzuki(R-room)
text:Mikako Wakiya


出典:EARTH JOURNAL(アースジャーナル)vol.06 2018年
販売サイト(https://earthjournal.jp/information/33791/

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