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農家のためのソーラーシェアリングを東北地方から全国へ発信!

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宮城県東松島市で、ソーラーシェアリングの実証実験が始まった。事業を手掛ける株式会社セラウェーブが目指すのは、農業活性化に向けた場づくりだ。

地域とのつながりを深めるエコヴィレッジが完成

宮城県東松島市に、ソーラーシェアリングの実証実験を行う「東松島エコヴィレッジ鷲塚」が完成した。ここは、ただの実験場ではない。エネルギーと農業の共存を人々が気軽に体感できる展示場でもあるのだ。

この事業を行うのは、太陽光発電の設計・施工を中心に手掛ける株式会社セラウェーブ(東京都)。はじまりは、東松島市で生まれた同社社長の髙橋さんが、幼馴染で地元農家の五野井さんと、農地を単に耕作するだけではなく、更に有効利用できないかと話していたときだった。

「ソーラーシェアリングは大企業が大規模農園で行うもので、一般農家には縁遠いものだというイメージがあると、五野井さんに言われたんです」(髙橋社長)。

一般農家が持つ情報の少なさを痛感した髙橋社長は、農業のためにソーラーシェアリングを広める布石とするべく、地元農家から浸透させていこうという思いを強くした。そして、実家のそばにあった元農家の古民家と農地を買取り、エコヴィレッジの建設を始めたのだ。

一方で五野井さんも、髙橋社長の思いに共感し、現在はエコヴィレッジで宮城県東松島市に、ソーラーシェアリングの実証実験を行う「東松島エコヴィレッジ鷲塚」が完成した。ここは、ただの実験場ではない。エネルギーと農業の共存を人々が気軽に体感できる展示場でもあるのだ。

「ソーラーシェアリングを全国に広めたい」と熱弁する同社の髙橋社長(左)と五野井さん。
五野井さんの協力を得て、これから農作物を育て、ソーラーシェアリングを広げる足掛かりを作る。
「いずれは農福連携を実現したい」と意気込む同社環境エネルギー事業部の葵課長。
これから系統連系し、下で農作物を育てながら発電量と農作物の育成のデータを取っていく。

この事業を行うのは、太陽光発電の設計・施工を中心に手掛ける株式会社セラウェーブ(東京都)。はじまりは、東松島市で生まれた同社社長の髙橋さんが、幼馴染で地元農家の五野井さんと、農地を単に耕作するだけではなく、更に有効利用できないかと話していたときだった。

「ソーラーシェアリングは大企業が大規模農園で行うもので、一般農家には縁遠いものだというイメージがあると、五野井さんに言われたんです」(髙橋社長)。

一般農家が持つ情報の少なさを痛感した髙橋社長は、農業のためにソーラーシェアリングを広める布石とするべく、地元農家から浸透させていこうという思いを強くした。そして、実家のそばにあった元農家の古民家と農地を買取り、エコヴィレッジの建設を始めたのだ。

一方で五野井さんも、髙橋社長の思いに共感し、現在はエコヴィレッジで営農を行っている。今後は自分の農地にも設置し、いずれ地元農家に広めていく足掛かりをつくっていくという。

 「農業は収益が少なく、手間暇がかかります。例えば稲作の年収は田んぼ一反で10万円前後。でも、ソーラーシェアリングなら、融資をうまく活用して設備資金が用意できれば、農家にとって大きな副収入を得ることができます。農業活性化につながり、後継者問題、耕作放棄地問題も解消できるかと考えています」(五野井さん)。

同社システムならば、130kWの設備導入で、FITの買取り価格が18円なら年間236万円、例え16円に下がったとしても215万円の売電収入が見込めるという。エコヴィレッジでは、パネルの向き、遮光率の違う(20%・50%)二つのシステムを実際に設置し、作物の生育状況の違いを見学できるようにするという。

髙橋社長は「農家の皆様に実物を見ていただき、資金融資のご相談から収益化までの情報をご提供できる展示場にしたい」と意気込んでいる。

後継者問題に悩む農家の所得を上げて若者を呼び込む仕組み作りだけでなく、障がい者を育てる親が在籍する同社では、ソーラーシェアリングを活用した農福連携も目指している。その思いを実現するための道のりは始まったばかりだ。

株式会社セラウェーブ
serawave.sakura.ne.jp

photo: Atsumi Hamada
text: Kousuke Ooneda


出典:EARTH JOURNAL(アースジャーナル)vol.06 2018年
販売サイト(https://earthjournal.jp/information/33791/

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